レジオネラ対策推進協議会

Council for Legionella Control Promotion (CLCP)

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設立趣意書

わが国のレジオネラ感染については、平成11年に制定された感染症新法によって、レジオネラ感染患者を診察した医師が保健所への届け出を義務付けたことで、感染者の早期発見や把握が可能になりました。また、医学及び科学的見地から感染経路や予防法が見出され、レジオネラ症は減少すると思われていましたが、国立感染症情報センターの統計では、毎年900人位の罹患者と60人前後の死亡者が報告され、毎年増加傾向を示しているのが現状です。
 これまで、重篤な感染事故が起きるたびに具体的な指針が示されてきましたが、この報告を見る限り、状況はむしろ悪化しているように思われます。そこで、改善されない背景の現場事例や体験から要因をまとめると次のようになります。

1.国の指針や法令の周知方法が未整備な状況で、前述の情報や研究成果などが経営者や現場担当者及び関係業者に届きにくいため適切な維持管理が行われていないこと。
2.入浴施設や給湯設備等におけるレジオネラ対策については、その指針を策定する時点で、現場の実証事例や知見が乏しかったため、プール水や冷却塔の管理方法が転用されたが、その効果や改善策の検証が不十分なようで、指針が現場管理の障害になる事例がある。
  例@:塩素消毒と残留塩素中心の指導により、塩素数値が管理目的に転化されている
  例A:残留塩素があればレジオネラ属菌はいないとの誤解が一般化している
  例B:生物膜の洗浄に過酸化水素を使用すると明記され洗浄工法が制限されている
3.感染事故や死亡事件の裁判事例では、経営者の刑事責任が問われていないために従事者教育や施設の安全対策の予算が乏しく、衛生管理に関わらない経営者が多い。
4.現場施工を請け負う業者に専門的な知識や技術を有する者が少ないため、現場の改善対策が価格競争に転化して根本的な問題解決につながらない場合が多い。
5.行政が施設管理者及び専門業界に通知・指導する手段や相互交流の機会が乏しい

 上記の課題改善には、受け皿になる専門業者や指導者を丁寧に育成することが必要と考えます。
さらには、全国の保健所や衛生研究所関係者等行政によるATP検査器の活用やモノクロラミン消毒方法など、新発想のレジオネラ対策も進展している現在、塩素消毒一辺倒からの脱却が模索され、レジオネラ対策は大きな転換期を迎えています。
 このような背景から、「レジオネラ対策推進協議会」を設立し、行政と連携して事業者や業者をつなぐ役割を担いつつ、関連団体や学識経験者との交流などを通して社会貢献することを目的としたレジオネラ対策推進活動に取り組んで参ります。
 関係各位におかれましては、本協議会の設立趣旨にご賛同賜り、積極的なご参画をお願い申し上げます。

   平成25年7月1日

                        発起人
                         堀井孝志(株式会社関東保全サービス)
                         清水敏夫(清水工業株式会社)
                         関根英明(大協和工業株式会社)
                         関口和弘(内藤環境管理株式会社)